トラスのピン結合が一発でわかる!現役ゼネコン社員が教える結合条件

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土木、建築関わらず、構造力学をかじった経験があれば、トラスはピン結合が当たり前になっているかと思います。

ですご、中には、「ピン結合って実際どういう構造なの?」って方がいらっしゃるでしょう。

 

今回は、ピン結合を初心者でもわかるように解説し、その後にトラス橋のピン結合の実際の施工方法と、設計思想についてご紹介していきます。

 

ピン結合とは?

大学で習うピン結合は、構造物を線で表すフレームモデルで描かれるのが一般的で、実際の構造をイメージしにくいですよね。

私も大学生の頃は、なんとなく丸くなっていて、ドアの蝶番(ちょうつがい)みたいになってそうだなという程度の認識でした。

 

学問的に言えば、自由に回転できる節点であり、モーメントがゼロになる点のことです。

が、実際のところでは、2つの鋼部材が緩く結合されている点を指します。

 

例えばボルト結合されているような場合は、ボルトとボルト穴とにはわずかながら隙間があり、動くことで部材は回転できるということでピン結合とみなされます。

反対に、鋼材同士がしっかりと溶接されていれば一体の部材としてみなし、ピンではなく剛結合となります。

 

ちょっとわかりづらいと思うので、解説していきます。

実際のピン結合状況

トラス構造は各部材がピン結合されていることにより、各部材に曲げモーメントがかからないということで有名です。

しかし、実際にトラス橋などをみていると、ガゼットプレートと呼ばれる板で挟んで8本前後のボルトで留めており、回転するようには見えません。

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一本のボルトであれば、そこを中心として回りそうなものですが、複数点だと回らないと思うのが普通です。

巨視的にはたしかに回らないとみなせますが、先ほども触れた通り、ごく微小な変形を考え場合には、各ボルトがずれて、部材全体として回転するような動きは可能ですよね?

微小でもピン結合的な挙動をすると、その瞬間に部材に作用する応力や変位はピン結合条件で設計しなければいけないのです。(計算負荷的な理由でピンで設計しているという説については後述します)

 

ちなみに昔は計算機の能力が乏しかったためピン結合で設計しており、想定外の影響を防止するために実施工でもピン構造となるように大きなピンを設置していました。

現存している古いトラス橋でピン結合されているものもあるので、ぜひ近所のトラス橋を探して見てください。

 

ピン結合と剛結合どっちが安全側?

トラス構造ではピン結合から剛結合にすることで、変形は減少し、応力は大きくなる傾向があります。

どちらがより安全側かは一概には言えませんが、道路橋であれば通行利便性からたわみ量を抑えたいとの想いがあるため、たわみが大きくなるピン結合として設計しておくのが安全側といえるかもしれません。

 

また、大学で習う通り、ピン結合であれば手計算で発生応力を計算することができます。

一方、剛結合だと手計算では面倒なレベルになってくるため、負荷軽減の観点からもトラス橋は基本的にピン結合として設計します。

 

以上、トラス橋がピン結合として設計され、実際には剛結合のように施工されていることをご紹介しました。

竣工年代によっても変わってきますので、お近くのトラス橋をチェックしてみると楽しいですよ。